THE KIYOSHI HAYAKAWA FOUNDATION

第九回アガサ・クリスティー賞贈賞式を開催

2019年11月22日、明治記念館・富士の間において、第九回アガサ・クリスティー賞の贈賞式、祝賀会を開催しました。
本年度は穂波了さんの『月よりの代弁者』、折輝真透さんの『それ以上でも、それ以下でもない』の2作品が大賞に選ばれました。

贈賞に先立ち選考員を代表して翻訳家の鴻巣友季子さんが講評を述べました。
今年はアガサ・クリスティー賞初のW受賞となったことに触れ、それぞれ趣の違う両作品と、大賞を受賞するに至った選考過程についての解説を行われ、2つの異なるタイプの素晴らしい作品をW受賞の大賞として出せたことへの喜びを語られました。

受賞後マイクの前に立った穂波了さんは、受賞作が作家としての再デビューであることを振り返り、再デビューが叶うまでに年月が掛かったことから、「最近では人生における二度目のチャンスは与えられないのかと沈んでおりましたが、そこを拾い上げてくださった選考委員の皆様、本当にありがとうございます」と感謝の言葉を述べられました。

同時受賞となった折輝真透さんは残念ながらご事情により欠席となりましたが、会場宛に受賞作へ携わったすべての皆様に感謝のメッセージをお寄せ頂きました。

その後、2019年に作家生活40周年を迎えられたSF作家、神林長平氏の乾杯で祝賀会が始まり、受賞者、関係者が和やかに交流する場となりました。

又、贈賞式にあたり、協力企業の英国アガサ・クリスティー社会長で、アガサ・クリスティーの曾孫であるジェイムズ・プリチャード氏より、今年も次のようにお祝いのメッセージが届きました。

長年の友好関係にある早川書房との協力で創設されたアガサ・クリスティー賞は第9回を迎えます。曾祖母の名を冠した賞を通じて日本の新たな才能を祝福できることは、私にとって望外の喜びであり名誉です。
今年は2作の大賞作品が生まれました。折輝真透氏の『それ以上でも、それ以下でもない』と、穂波了氏の『月よりの代弁者』です。

出席がかなわず残念ですが、ご参集の皆様、どうぞ最後までごゆっくりとお楽しみください。

アガサクリスティー賞

悲劇喜劇賞

早川ライブラリー 野田昌宏文庫

小鷹信光文庫 ヴィンテージペイパーバックス