THE KIYOSHI HAYAKAWA FOUNDATION

第三回アガサ・クリスティー賞贈賞式を開催

2013年10月22日、明治記念会において、作家、評論家など200名近い方々にご列席いただき、第三回アガサ・クリスティー賞の贈賞式を開催いたしました。

受賞作『コンダクターを撃て』(出版に際して『致死量未満の殺人』に改題)の著者三沢陽一氏に、当財団代表理事早川浩よりクリスティーの肖像が刻まれた正賞の盾と副賞100万円が贈られました。
選考委員を代表して有栖川有栖氏から、「候補作には一長一短があり、選考には時間を要したが、『まっすぐなミステリで楽しいわ。これになさい』というデイム・アガサの声が聴こえた気がして、他の委員とともに授賞に賛成した」と選考経過と講評が披露されました。

続いて受賞者の三沢氏が登壇、「アガサ・クリスティー賞受賞作で作家としてデビューできることをたいへん嬉しく思います」と受賞の喜びを語りました。

贈賞式にあたり、協力頂いている英国アガサ・クリスティー社の会長でありアガサ・クリスティーの実孫であるマシュー・プリチャード氏から今年もお祝いのメッセージが届きました。

I am pleased to announce the 3rd winner of the Japanese Agatha Christie award, sponsored by Hayakawa Publishing Corporation.  The winner is Mr. Yoichi Misawa and it is called “Murder by Non-Lethal Dose”.  I hope this means a continuation of my grandmother Agatha Christie’s well-known interest in poison.  I wish the author every success with his book.
Most of all, I am pleased that this event reflects the continuing popularity and success of Agatha Christie in Japan, and I congratulate Hiroshi Hayakawa and his company on their continuing efforts to support this.
Mathew Prichard
Chairman
Agatha Christie Ltd

早川書房と早川清文学振興財団が主催する第三回アガサ・クリスティー賞を皆様にお知らせできることをうれしく思います。今年の受賞作、三沢陽一さんの『致死量未満の殺人』は、その題名が示す通り、祖母アガサ・クリスティーのつとに有名な毒薬への関心を現代に受け継いだ作品です。三沢さんの今後の活躍を祈ります。
そして、何よりもうれしいのは、本賞が象徴しているように、日本におけるアガサ・クリスティーの人気と情熱がこうして永く続いていることです。早川浩社長と早川書房のたゆまぬ努力と支援に感謝します。
2013年9月27日
アガサ・クリスティー社会長
マシュー・プリチャード

アガサクリスティー賞

悲劇喜劇賞

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