THE KIYOSHI HAYAKAWA FOUNDATION

第四回アガサ・クリスティー賞贈賞式を開催

2014年10月24日、明治記念館において、作家、評論家など多くの方々にご列席いただき、第四回アガサ・クリスティー賞の贈賞式と祝賀会を開催いたしました。

受賞作『しだれ桜恋心中』(出版に際して『傀儡呪』を改題)のイメージを髣髴とさせる桜の花模様をあしらった振り袖姿で受賞者の松浦千恵美さんが壇上に登り、会場からの拍手がひときわ大きくなる中、当財団代表理事早川浩よりクリスティーの肖像を刻んだ正賞の盾と賞金が贈られました。

選考委員を代表して鴻巣友季子氏から、選考経過とともに講評が披露されました。
「わたしのメモには、『むちゃくちゃで呆れました(笑)。最高です』とあります。もちろん、『呆れた』というのは最高の賛辞です」と受賞作の第一印象から話し始められ、
「人形浄瑠璃を題材にした異色のホラー・ミステリ―として、無謀とも言える語りのパワーが本作の魅力であり、この作者の強みではないかと思う」と受賞作を評価されました。

続いて受賞者の松浦さんが登壇。感激に言葉を詰まらせながら、ご家族、ご友人への感謝を述べ、その想いに応えられるようにこれからも貪欲に作品を書き続けていきたいという意欲を示されました。最後に「これからの私に期待してください」という力強い言葉で受賞の挨拶が結ばれました。

贈賞式にあたり、今年も協力いただいている英国アガサ・クリスティー社会長で、アガサ・クリスティーの実孫であるマシュー・プリチャード氏よりお祝いのメッセージが届きました。

I am delighted to welcome the winner of the 4th Agatha Christie award,which commemorates the long partnership between my grandmother Agatha Christie and Hayakawa publishing.
I am told that Ms Chiemi Matsuura’ book is one of the most daring ever to have been submitted for the award, and is a very worthy winner. Bravery  innovation and intrigue were also at the
heart of Agatha’s books and it sounds as if the winner has entered into the spirit of the competition . I would like to thank all the entrants to the competition and all those involved in organising it

Regards
Mathew Prichard.

早川書房と祖母の長年の友好関係を記念して創設された「アガサ・クリスティー賞」の第四回の大賞決定、おめでとうございます。
今回の松浦千恵美さんの受賞作は、応募作品の中でももっとも大胆で、大賞に相応しい作品と聞いております。前例にとらわれない新しい謎を生み出すことこそ祖母アガサ・クリスティーの真髄です。その意味でも今回の受賞作は本賞の精神に則ったものと言えるでしょう。応募してくださった皆さん、選考に関わった皆さんに感謝の意を表します。

アガサ・クリスティー社会長
マシュー・プリチャード