第十一回ハヤカワ「悲劇喜劇」賞選考結果
2024年1月11日(木)に第十一回ハヤカワ「悲劇喜劇」賞の選考会が杉山 弘、濱田元子、矢野誠一の3氏により行われ、劇団俳優座の『閻魔の王宮』に決定しました。
本賞は選考委員と批評・評論家の劇評意欲を最も奮い立たせる優秀な演劇作品を顕彰するもので、受賞作はその年のなかから1作品にあたえられます。受賞作には正賞として演劇雑誌「悲劇喜劇」に因んだ賞牌、副賞100万円が贈られます。
3月末に贈賞式を行ないます。詳しい選考過程の採録、各選考委員が推薦する作品の劇評を「悲劇喜劇」5月号(4月6日発売予定)に掲載します。
■受賞作の紹介
劇団俳優座
閻魔の王宮
撮影:若井なおみ
1990年代。中国は鄧小平による市場経済拡大のもとにビジネスが活況を呈していた。河南省の衛生部職員であるワン・ウェイはアメリカの製薬会社と手を組み、血漿を売るビジネスを起こし農民に対して売血を奨励する。血を売ることで貧困から脱し豊かな生活が送れると農民たちが喜ぶ最中、同じ衛生部職員のチョウ・インインは信じがたい秘密を知る。そして彼女は、職業、家族、祖国に対する想いの中で激しく葛藤していく――。
経済的利益と人の命、選択を迫られた時、私たちはどうするべきか……数十万人に影響を及ぼした中国・河南省H I V集団感染事件を題材にした問題作。
■公演情報
脚本/フランシス・ヤーチュー・カウィグ 翻訳/小田島恒志 ドラマトゥルク/飯塚容 演出/眞鍋卓嗣
出演/河内浩、塩山誠司、清水直子、安藤みどり、志村史人、千賀功嗣、八柳豪、野々山貴之、滝佑里、松本征樹
美術/杉山至 照明/桜井真澄 音響/木内拓 衣裳/山下和美 映像/新保瑛加 振付/菅尾なぎさ 舞台監督/服部寛隆 舞台監督助手/小田史一、宮下卓、武藤礼乃、丸本琢郎 演出助手/中村圭吾、近藤万里愛 照明操作/廣田恵理、麻田侑希 映像操作/井口敬太 衣裳スタッフ/関山杏理 宣伝美術/柳沼博雅 制作協力/花澤理恵 制作/劇団俳優座 演劇制作部・有馬理恵
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